【読了】ユートピア

 

 

湊かなえさんの「ユートピア」読みました。

 

 

 

◎あらすじ

太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。先祖代々からの住人と外から来た新たな入居者が混在する町で生まれ育った久美香は、幼稚園の頃に交通事故に遭い、小学生になっても車椅子生活を送っている。

一方、陶芸家のすみれは、久美香を広告塔に車椅子利用者を支援する福祉ブランドの立ち上げを思いつく。出だしは上々であったが、ある噂がネット上で流れ、徐々に歯車が狂い始める…。緊迫の心理ミステリー。

 

 

◎感想

ユートピア・・・「現実の社会に不満をもつ人が夢想する理想的な楽土。理想郷。」

 

 

 

読み進めていくうちに晴れていたのに分厚い雲で覆われていく感覚になりました。善意は悪意より恐ろしい。物語に出てくるすみれ、菜々子、光輝は善意でやっていることなのにどこかで見返りを期待しているし、謙遜や譲り合いをしながらも自分が正しいと思っている。意志を持ちながらも表面には出さず本音と建前を使い分けて、女性特有の(?)心理戦になっていたような気がする。コワ*1

 

でもどこか、共感してしまう自分もいたりして。胸がざらつきました。。

 

 

自分の理想とする空間、居場所、ユートピア。さまよいながらもいつか見つけることができるのでしょうか。。

*1:´д`